
PetVoiceご利用者インタビュー(3歳愛犬消化器型リンパ腫)〜病気の発見から闘病中〜
現在、PetVoiceは疾患を持った愛犬愛猫と暮らすご家庭で多く活用されております。PetVoiceを利用されている方はもちろん、まだご使用ではない飼い主様も含めて、同じく闘病生活を送る飼い主様の心の支えになる情報を発信したいと考え、インタビューを実施しています。
今回は、愛犬コアちゃんを血液のがん(消化器型リンパ腫)で亡くしたアスカさんに、病気の発見から治療の経過についてお話を伺いました。
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アスカさんと愛犬について

(愛犬コアちゃん)
愛犬のお名前:コアちゃん
ご家族構成:アスカさん、コアちゃん、アムちゃん(愛犬)
お住まい:東京都江東区
インタビュー内容
病気の発見
「コアちゃんの病気は、どのようにして見つかったのでしょうか?」
最初は「食欲が落ちたな」と思ったのがきっかけでした。もともとドライフードとウェットフードを混ぜてあげていたのですが、ある日ドライフードを食べなくなり、ウェットフードだけ食べるようになったんです。
「その時点で病院には行かれたんですか?」
はい。ちょうどアムちゃんの健康診断があったので、一緒に診てもらったんです。でも当時3歳だったこともあって、その時の獣医さんには「好き嫌いかもしれませんね」と言われて、特に詳細な検査は勧められませんでした。色々なフードを試してみてくださいとアドバイスをいただいたので、やってみたのですがなかなか食欲が戻らず、おやつも食べなくなってしまって……。さすがにおかしいと思い、血液検査とエコーをお願いしました。
「獣医師でも、気づくのが難しかったのでしょうか?」
触診や見た目では病気っぽい印象ではなかったようです。実際、血液検査やエコーでないとこういった病気は見つけられないことが多いと獣医師さんもおっしゃっていました。また、もう少し早く気づいてあげたかった、見つけてあげたかったと思っていたのですが、早く気づいたら治せるというものでもないそうです。消化器のリンパ腫は、どんなタイミングで見つかっても治療が難しいそうです。

(お散歩を楽しむコアちゃんの様子)
治療について
「病気が見つかってすぐに治療を始めたんですか?」
はい。血液のリンパ腫なので手術などはできず、抗がん剤治療をしました。まずはステロイド治療から始め、巨大な腫瘍が少し小さくなりました。ステロイド治療を始めて4日後くらいに抗がん剤治療に切り替えました。
「抗がん剤の副作用について説明はありましたか?」
ありました。抗がん剤の種類によっては、副作用が強く出るものもあれば、比較的軽いものもあります。コアの場合、副作用が少なく血液のリンパ腫に効きやすいと言われている抗がん剤からスタートしましたが、残念ながらあまり効果が出ませんでした。
「そこから治療方針を変えたりされたんでしょうか?」
はい。ただ、治療前は体調がすごく悪かったのですが、ステロイドと抗がん剤で少しは(どうにか日常生活が送れるくらいには)良くなっていました。一方で、腫瘍は大きくはなっていないものの、小さくもなっていない状況だったので、セカンドオピニオンを受けました。有名な動物病院に相談しにいったところ、がんの転移が見つかりました。それまでは腸付近の血液だけでしたが、肝臓の方まで転移してしまっていることがわかり、セカンドオピニオンを受けた病院に切り替えて、治療を進めることになりました。
「セカンドオピニオンの後は、どのように治療をしましたか?」
最初に使用していた抗がん剤から別の抗がん剤に切り替えました。でも、それもあまり効果がありませんでした。毎週日曜日に病院に通い、血液検査やエコーで効果を確認するというのを繰り返しながら3〜4種類ほど抗がん剤を切り替えながら治療しました。それでもどれも効果がなくって……。重い抗がん剤も使っていたのでコアの体力も結構限界で、体調も悪く、血便が出るようになってしまいました。血便が出るというのはもう死期が近いと言われていて、血便に伴う貧血も続き、毎日輸血するようになりました。その頃にはご飯も食べられなくなってしまい、点滴療法に切り替えました。最後の1週間はずっと通院でした。

「今は病気に関してお詳しいと思うのですが、闘病しながら情報収集はどのようにしていましたか?」
若い子のがんって、調べてもなかなか症例が出て来ないんですよね。私も死に物狂いでいろんな人に聞いて情報を集めていました。しかし、多くの(高齢で発症する)がんと若い子が発症するがんって違うんですよ。
まずスピード感が全く違って、1週間で一気にいろんなことができなくなったり、食べられなくなったり。進行がすごく早くて、飼い主としてはスピード感に一所懸命縋りついている感じでした。
SNSで同じように闘病していた方を見つけ、どのように過ごされていたのか情報を集めていました。PetVoiceも、その方の愛犬が使用していたのをきっかけに知り、使ってみることにしました。
「PetVoiceをご利用いただいていたのは短い期間だったかもしれませんが、何か役に立ったことや、アプリでデータが見られて良かったと思ったことがあれば教えてください。」
私は仕事をしていて、家を空ける時に装着していることが多かったのですが、呼吸数や水飲み回数をよく見ていました。また、休息中か活動中かもよく見ていて、休息中が多くなっていれば、体力的にもキツくなっているのだろうと想像していました。コアの活動状況が見えるというのは、わかりやすくて良かったです。

(アプリに表示されるステータスアイコン)
コアは病気が進むにつれて歩けなくなってしまったのですが、散歩の距離をデータで比較ができるので、「1ヶ月前はこの距離歩けていたのにな」「最近歩ける距離が短くなっているから、今の抗がん剤が負担になっているのかも」といった風にデータとリンクさせながら現在の体調理解に役立てていました。

(お散歩ルートのアプリ画面)
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「闘病中、何か後悔されていることはありますか?」
とても進行が早い病気なので、やっぱりもっと早く病気を見つけてあげたかったと思うところはありますが、獣医師さんのお言葉もあって、ある意味仕方なかったのかなと思っている部分もあります。定期的な検査はもちろんやっていましたが、タイミングによっては見つからないケースもあるそうです。
とはいえ、リンパ腫も少しずつ変化していて、稀ではありますが若くても発症するケースが増えているらしいので、定期的な血液検査やエコーはみなさんにおすすめしたいです。
また、コアはペットショップにいたのですが、とってもかわいいのに、風邪を引いたり下痢をしやすかったり体が弱かったため、安値がついていました。元々は保護犬で探していたのですがなかなかマッチせず、色々なサイトをみる中で見つけたのがコアでした。
うちに来てからも咳が出たり、感染症にかかったり、病気がちでした。そういうのもあってリンパ腫が見つかったので、遺伝的な要素もあったのかなと思っています。
実際、今回の消化器型のリンパ腫は基本的には先天性のものだそうで、発症に生活が大きく影響することはほとんどないって言われてて。なので私自身、正直後悔しているかって言われると、そんなにしてなくて。やってあげられることは全部できたのではと思っています。お金もかかったけど、やって良かったと思います。
「治療にはお金も結構かかったのではと思うのですが、保険には入っていましたか?」
入っていました。1ヶ月半で大体45万円くらいかかったのですが、7割負担してもらえるプランだったので、入っていて本当に良かったと思っています。
「コアちゃんの体調が悪化していく中で、不安になったことや支えになったことはありますか?」
妹たちが手伝ってくれたのが大きな支えになりました。コアの血便が始まってから、夜中でも15分〜30分おきに血便をするようになり、私自身も過敏になって起きてしまうようになったんですよね。そういう生活がずっと続いたので全然眠ることができず、疲れ切っていました。「こんな生活がずっと続くのか・・・」と思うことも本当はいけないことのように感じてしまって、精神的にも辛くなっていました。
私は兄弟が多く、妹たちが交代で泊まりに来てくれて、コアのケアを一緒にしてくれました。それがあったから、自分だけが辛くなることなく過ごすことができたと思っています。
コアの病気や治療の影響でアムと近づけることができなかったのですが、やはりお世話をする人数が多かったから2匹ともちゃんとお世話をして遊ぶこともできて、良かったと思っています。

(左:アムちゃん 右:コアちゃん)
まとめ
ペットの病気は、初期の段階では飼い主が気づきにくいことが多く、適切な診断を受けるまでに時間がかかることがあります。今回のアスカさんのケースでは、「食欲の低下」という小さな異変が、実は大きな病気のサインだったことがわかりました。
病気の進行が早い場合、どんなに早く気づいても治療が難しいこともあります。定期的な健康診断や血液検査、エコー検査の重要性が改めて感じられるエピソードでした。
また、治療には大きな費用がかかるため、ペット保険の選択も大切なポイントになります。アスカさんは、保険に加入していたことで治療費の負担が軽減され、コアちゃんに必要な治療を最後まで受けさせてあげることができました。
今回のインタビューを通して、ペットの闘病を支えるために何ができるのか、どんな準備が必要なのかを考えるきっかけになればと思います。
次回は、コアちゃんの終末期の過ごし方と、アスカさんがどのようにペットロスと向き合ったのかをお届けします。
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