猫も骨折する?
猫は高いところから落ちても骨折しないと聞いたことがある飼い主さんもいるかもしれません。しかしそんなことはなく、猫もいろいろな理由で骨折することがあります。どんな理由で猫は骨折するのでしょうか? また対処法や予防法は?一緒に見ていきましょう。
猫が骨折する原因
猫が骨折する原因の多くは「落下事故」と「交通事故」です。
猫は運動神経がいいから高いところから落ちたって大丈夫…と思う方も多いかもしれませんが、意外にも骨折の原因で最も多いのは低いところからの落下です。
例えば階段の3段目やソファー、バスタブの縁、マンションのベランダ柵などから落下して骨折する事が多いです。
反対にタンスの上やキャットタワーなど高い場所から落下して骨折することはそれほど多くありません。猫が空中で受け身を取る時間が十分にあるからです。
猫が上手く受け身を取る前に無理な姿勢で地面と接触してしまうと骨折する可能性が高くなってしまいます。
また外に出ることがある猫の場合は交通事故が原因で骨折してしまう可能性があります。
交通事故による骨折は四肢だけでなく頭蓋骨や骨盤を骨折することがあります。これらの部位に骨折が起こった場合、ふらつきや意識混濁などの神経症状や、排便・排尿困難などが起き、命に関わる場合があります。
子猫はケージに注意
子猫は好奇心が旺盛なのでケージに飛び乗って遊びたがります。このときケージの網目に足を引っ掛けた状態で落下してしまうと無理な力が加わって骨折してしまうことがあります。視界が悪くなって可哀想に思ってしまう飼い主さんもいるかもしれませんが、ケージは網の目の細かいものに変える工夫が有効です。
その他にもカーテンによじ登った際の落下や、カーテンレールから足を踏み外して落下した場合もカーテンやカーテンレールに爪や足が引っかかって骨折につながるケースがあります。この場合は、カーテンをよじ登れないように
- 猫の爪を切る
- カーテンは高いところで結ぶ
- 登れないように遮光カーテンなど表面がツルツルしたものに変える
など工夫することが大事です。
症状
以下の症状が認められたら猫は骨折している可能性が高いです。
- 足がはれている
- 足をかばうように浮かせている、または完全に引きずっている
- 足を触られると嫌がる、怒る
- 動かずじっとしている時間が多い
- 食欲がない
- うんち、おしっこが出ない
- ふらつきや意識障害などの神経症状がある
骨折すると骨を覆う骨膜や骨の周囲に存在する神経も傷つくため常に痛みを伴います。また炎症が起こり骨折部位が腫れてくることがあります。
また、症状は骨折が起こっている部位によっても異なります。手足を骨折した場合は骨折した側の手足をかばったり、引きずったように歩きます。落下した際に顎の骨を骨折していると、ごはんが食べづらくなったり口が上手く閉じられなくなったりします。落下後に食欲が落ちる、またはよだれを垂らすことが多い場合は、顎を骨折しているかもしれません。
交通事故などで多い骨盤骨折では、骨折した骨が腸や尿道を圧迫することでうんちやおしっこが出づらくなることがあります。
骨盤や脊椎、頭蓋骨の骨折は緊急事態です。立ち上がれなくなる・麻痺をおこすなど明らかな歩行困難が認められるため、すぐに動物病院の受診が必要です。
いずれの部位の骨折も動物病院での治療が必須となるため、猫が落下したら迷わず動物病院を受診するくらいの心構えがいいでしょう。
治療法
骨折の治療はギブスや包帯によって外側から固定するか、手術によって骨にピンやプレートを埋め込む、または骨に直接ワイヤーを巻くことで内側から固定する方法の大きく2通りになります。
骨折した部位や骨折の仕方によって治療法や治療費が異なるため、よく獣医師に相談しましょう。
対処法や予防法
猫が骨折した際に飼い主さんがその事に気づけることは少ないかもしれません。もし明らかに歩き方がおかしい、足が腫れている、痛そうなどの症状がある場合はできるだけ安静にしてすぐに動物病院へ連れていきましょう。もし背骨を骨折している場合は抱き上げるだけでも負担になる場合があるため、板などに乗せて運ぶようにしたほうが安心です。
自然治癒に任せてしまうと本来とは違った角度で骨がくっついてしまう事や、上手くくっつかなくなってしまう事があるため、絶対にNGです。必ず獣医師の指導のもと、治療に当たるようにしてください。
まとめ
猫が骨折しづらい環境を整えてあげることがとても大事です。また、骨折していた場合できるだけ早く治療してあげましょう。