気をつけたい犬の回虫症!その原因と対策は?

回虫症、一言でそう言ってもどういうモノなのか詳しく説明できる人の方が少ないのではないでしょうか?回虫症とはその名の通り、回虫という寄生虫が犬に寄生して起こる病気です。今回はその回虫症に関して詳しく解説します。

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まずは、回虫症の症状や感染経路について説明していきます。感染経路を知っておくだけでも予防になるので、知っておいて損はないはずです。

回虫症ってどんな病気?

前述にもある通り、回虫という寄生虫が感染した事で起こる病気を回虫症と言います。感染と言っても体内に入ってくるのはその卵です。

卵の状態で体内に入った回虫は腸管内で成長し、成虫となります。体内で卵が孵化、成長する過程で体内を移動し、身体の様々なところで、様々な異常を起こす場合もあります。成虫の雌は腸管内で卵を産み、やがて糞便と共に体外に排出されます。

卵の状態で次なる宿主の感染を長期間待つ事もできるので、多頭飼育の場合は要注意です。

どこから感染してくるの?

回虫の主な感染経路は以下の通りです。

母子感染

母犬の胎盤を通して胎児に感染する胎盤感染。出産後の母乳を通して感染する経乳感染があります。どちらも母犬が感染している事で、仔犬に感染してしまいます。

卵の経口感染

便から排泄された卵を何らかのきっかけで口に入れてしまった場合の感染経路です。砂場や草むらなどは回虫卵を含んだ便が落ちている可能性があるので注意が必要です。

待機宿主からの感染

回虫を宿している生物、主にネズミ、ミミズ、ゴキブリなどを捕食してしまう事で、回虫を体内に入れてしまうことです。

感染したらどんな症状がある?

回虫症のほとんどが無症状です。仔犬に多数の成虫が感染した場合は、下痢や嘔吐などの消化器異常や発育不良、食欲の低下なども見られます。
その内容物に白く糸状の成虫がいる場合もあります。幼虫が感染した場合は全身の臓器に移動してしまう事もあり、痙攣や視力障害などを起こしてしまう場合もあるので、気づいたら早めの治療を行いましょう。

回虫症に感染してしまったら

感染してしまったことに気づきにくい回虫症。どうやって気づいたら?どうやって治療、予防するのでしょうか?

感染したときの対処

まず感染に気付く事自体が難しい回虫症。仔犬がワクチンを打ち始める時期に、駆虫薬の投与をする場合もあります。また、上記で記載した感染経路に覚えがあるようなら、糞便検査を仔犬、成犬問わず行うのも1つの方法です。

また、多頭飼いの場合は感染犬の糞便は綺麗に片付け、排泄後の肛門付近に便が残らないように清潔にしましょう。薬品による消毒は効果が薄いですが、熱湯消毒が最も効果的です。
※糞便からの卵は未成熟の卵は感染力はない為、速やかに処分をする事で感染の予防は十分にできます。

回虫症の治療方法は?

駆虫薬を投与する事で、治療する事ができます。飲み薬や皮膚に垂らすタイプなど様々なものがあるので、かかりつけの動物病院で相談してみて下さい。しかし卵には駆虫薬は効かないので、数週間毎に複数回の投与が必要になります。

回虫症に感染しない為に

仔犬の時は感染しやすいので、一度、糞便検査を行うことをオススメします。
また、体外環境からの感染を防ぐ為に多数の犬が排便しているであろう場所での拾い食いや、待機宿主の捕食には十分注意しておきましょう。
症状が出づらい為、定期的な糞便検査も有効です。

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まとめ

犬の回虫症は、仔犬への感染率がとても高い感染症です。まず仔犬を迎えたら、早めの糞便検査と駆虫薬の投与でしっかり治療するとともに、感染拡大の予防をしていきましょう。感染経路を知っておく事だけでも十分な予防は可能です。

もし、感染してしまっても、しっかりと治療をすれば問題となることは少ないです。

  • 執筆者

    PetVoiceBlog編集部

    PetVoice編集部は獣医学や動物行動学を学んだスタッフが犬・猫の健康に関する情報をお伝えします。

  • 監修者

    三橋和人
    株式会社PetVoice 獣医師

    麻布大学獣医学部にて獣医師資格を取得。獣医師として臨床を経験後、動物病院経由で販売される療法食最大シェアを誇るロイヤルカナンにてKOLマーケティングを担当。